MECEとは


MECEとはコンサルタントの思考法の一つで、「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略です。そしてこの頭文字を取って「ミーシー」と呼ばれ、「漏れなくダブり無く」といった意味になります。クライアントの課題解決をする際に、物事を考える軸、特に分類する軸として頻繁に使用されるコンサルタントが身に着けておくべき基本的な能力、思考方法です。

 

具体例を用いて「MECE」を練習する

例えば、マーケティング戦略策定のプロジェクトにおいて、何かしらの商品の販売顧客を考えるケースを想定してみて下さい。

販売顧客を考える際に、職業で分けるとどうなるでしょう。結論からお伝えすると、これはMECEとは言えないでしょう。なぜならば、副業を行っている方も最近は増えてきている為、ダブりがあります。また、世の中には無職の方もいらいっしゃる為、漏れもあります。よって顧客層を分類する際にはこの軸で分類するのは不十分となります。

では、販売顧客を年齢で分類するとどうなるでしょうか。

こちらも結論を先にお伝えすると、これはMECEと言えるでしょう。

なぜならば、全ての人間は年齢がありますので、漏れはありません。そして、同一人物が2つの年齢を持つこと(Aさんが1歳と2歳である状況)はあり得ませんので、ダブりもありません。よってMECEと言えます。

MECEに整理するための2つのアプローチ方法

いきなりMECEに整理すると言われても難しいかと思いますので、以下に代表的な2つのアプローチ方法をご紹介します。
シーンに応じて使い分けるのが良いでしょう。

ボトムアップアプローチ

この方法では、要素を洗い出した上でグループ化を行った上で全体像を描く方法です。
分類項目の検討が難しい場合や整理対象の全体像が明確でない時に特に有効です。分類項目の検討が難しい場合でもMECEにする為の検討を行う事が出来ますが、そもそも項目の列挙がMECEでない場合は無意味となりますので、注意が必要です。

トップダウンアプローチ

この方法では、全体から要素を分解し、目的に合わせて分類を行っていきます。
先述のボトムアップアプローチとは逆に、全体像が明確な時に有効です。
当然、全体像が明確でない場合は整理が難しく、分類の段階でMECEにならない可能性がある為、注意が必要です。

 

要素を分解するためのフレームワーク例

ここでは要素を分解する際に有用なフレームワークをご紹介していきます。
フレームワークを全て覚えておく必要はありませんが、どのようなフレームワークがあるのかを把握しておくことで、スムーズに分解する事が可能となります。

3C分析

3Cとは『市場(Customer)』『競合(Competitor)』『自社(Company)』の頭文字のことで、多くの場合事業分析の際に私用されます。

4P分析

4Pとは『Place(場所)』『Price(価格)』『Product(商品)』『Promotion(販売促進)』の頭文字のことで、マーケティングの領域で頻繁に使用されるビジネス用語です。これら4Pそれぞれの観点から市場分析を行い、マーケティング戦略を策定していく事になります。

SWOT分析

SWOTとは『Strengths(強み)』『Weaknesses(弱み)』『Opportunities(機会)』『Threats(脅威)』の頭文字のことで、
4つのカテゴリーを用いて事業に関する内外環境の分析を行います。

PDCA(サイクル)

PDCAとは『Plan(計画)』『Do(実行)』『Check(評価)』『Act(改善)』の頭文字のことで、そもそもは生産(品質)管理の現場で生まれた言葉ですが、現在では業務改善に関する用語として広く私用されています。
上記PDCAの4プロセスを何度も繰り返していく事が基本となることから、PDCAサイクルとも呼ばれています。

AIDMA

AIDMA(アイドマ)とは『Attention(注意)』『Interest(関心)』『Desire(欲求)』『Memory(記憶)』『Action(行動)』の頭文字のことで、マーケティング領域で頻繁に使用されます。
消費者が購買行動を起こすまでを段階的に表したもので、それぞれの段階に合わせたマーケティング戦略を立てていくことで、効果的なマーケティング施策を実施する事が可能であるとされています。

漏れ無くダブり無く考えるだけでは意味が無い

MECEの考え方において重要な事は漏れなくダブりなく分類する事だけではありません。「分類して意味があるか」という点も重要になってきます。先程は年齢で分類しましたが、例えば、女性用化粧品の販売戦略を考える際に、顧客ターゲットを「性別」で分類する事に意味があるでしょうか。答えは恐らくNOでしょう。

「性別」で分類すると、その分類結果は「女性●%、男性■%」となります。この分類に意味があるでしょうか。いくつかの分類を組み合わせれば意味が見いだせるかもしれませんが、この分類だけでは意味を成しません。

MECEを考える際にはこういった点にも注意する必要があります。

 

普段のビジネスシーンでMECEを使用するには

【コンサルタントでなくともMECEの考え方は使う】

MECEの考え方はコンサルタントでなくとも、ビジネスパーソンであれば使用することが出来ます。先程は例として顧客ターゲットについてMECEの考え方を用いましたが、それ以外でも当然、使用することは出来ます。

【MECEにすれば良いという事ではない】

前の項目でもお伝えしましたが、MECEになっていたとしても、分類した内容に価値が無ければ何の意味もありません。分類してデータや考え方として有用でなければただ時間を無駄にしてしまうだけです。また、そういった意味のないMECEで抽出したデータを誤って利用してしまう事で大きな手戻りが発生してしまう可能性も十分にあり得ます。コンサルティングファームで言えば、アナリスト職やコンサルタント職の方はこういった手戻りが無いよう筋の良い情報収集をするよう心掛け、場合によっては先輩コンサルタントに相談を行いながら業務を進めていきます。

MECEは物事を考える手段でしかありませんので、そういった点にも留意しながらこの思考法を訓練してみて下さい。

MECEの考え方を知っているのと実際に使えるのはビジネススキルで言えば雲泥の差になります。自身の担当されている業務においてMECEを使用出来るものがあれば是非使用してみて下さい。無い場合でも関連する書籍等は多数出版されていますので、ご一読頂くのも良いかもしれませんね。

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