コンサルティングファームでの就業経験者はポストコンサルと呼ばれ、非常に高い評価を受ける事が多いです。

転職の市場は2008年のリーマンショック後から徐々に回復してきています。コンサルティング業界に関しても、現在は大変活況となっており、ポストコンサルへのニーズも高まってきています。しかし、転職市場での評価が高いが故に実はポストコンサルの転職は失敗が多い事でも有名です。

当コラムでは、そのポストコンサルの転職について解説していきます。今後のキャリアとしてコンサルティング業界を検討されている方こそ、是非ご覧下さい。

 

ポストコンサルの転職先傾向の実態

コンサルファームでの就業を通じて身に着けられる、ドキュメンテーションスキルやロジカルシンキング等のスキルは、先にお伝えした通り、転職市場においては非常に高く評価されています。また、これらのスキルは非常に汎用性が高い為、これまでコンサルファームでのプロジェクトで経験してきたインダストリーではなく、別のインダストリーへ移って活躍される方も数多くいます。

そして、現在の転職市場好景気の後押しもあり、各業界ともに積極的にポストコンサルの採用を行う傾向にあります。代表的な転職先を例として挙げましたので、ご参考下さい。

 

IT業界

IT業界ではSP(セールスプランニング)やファイナンス、マーケティング等のポジションで、ポストコンサルを求めています。特に、外資企業では英語力が求められる事にはなりますが、初年度の年収も比較的高いことに加え、かつIT業界自体が非常にスピード感の早い業界である為、成果さえ出せば昇進・昇格も非常に早いことも特徴として挙げられます。しかし、年収に関しては、下がる事もある為そのたたりは事前の情報収集が必須となるでしょう。

その他、IoTやAIに関する知見をもった方へのニーズも高まっています。各コンサルファームでもこの類の案件が増加してきている為、該当案件の経験者に対する採用ニーズは非常に高くなってきています。

 

ファンド業界

ファンド業界ではポストコンサル転職の中でも人気の業界の一つとして挙げられます。数年前まではファンド業界で中途採用が止まっていた時期もありましたが、最近では採用活動が行われる企業も徐々に出てきました。しかしながら、この業界に関しては採用活動を行っているとしても、採用枠が年間数名程度であり、かつ非常に狭き門である為、転職活動のタイミングと事前準備が非常に重要です。ファンド業界と繋がりのあるエージェントと密に連絡を取り合う事が重要になります。

 

銀行・証券業界

日系の銀行や証券会社では、若手層ポストコンサルをターゲットとして、投資銀行部門や事業企画、営業企画そしてマーケティング等のポジションで募集を行っています。その中でも特に、投資銀行部門ポジションにおいては、外資系企業・日系企業ともに若手のポテンシャル採用を積極的に進めています。

また、当業界では過去に銀行や証券会社に在籍していた方がコンサルファームを経験し、出戻りで再び当業界に転職するケースも少なくありません。

 

保険業界

保険業界はコンサル業界と比較するとハードワークではない企業も多く、給与も低くはないため、ポストコンサル転職として人気のある業界です。しかし、コンサル時代の年収から比較すると年収が多少下がる方が多い印象です。

最近の採用動向としては外資系企業を中心に、積極的にポストコンサルの採用を進めています。特に、事業企画や営業企画などのいわゆる社内コンサルのようなポジションでの採用も行われています。

 

製造業

自動車関連をはじめとする製造業では日系・外資系企業問わず経営系職種やマーケティングのポジションを不定期で募集しています。その中でもポストコンサルに人気の職種であるM&A担当ポジションを募集する事があります。特に日系企業では海外進出を目指すためのM&A担当ポジションを募集する事がありますが、高い英語力が求められます。

しかしながら、特に日系企業では退職者があまり出ない為、採用活動が開始になった際には非常に人気のあるポジションになりますので、転職活動のタイミングが非常に重要になります。

 

消費財業界

消費財業界では、外資系企業への転職が非常に多く、英語力が高いポストコンサルを募集しています。ポジションとしては、ブランドマネージャーと呼ばれるマーケティングポジションが主ではありますが、一部経営企画や事業企画での採用も行われる事があります。ブランドマネージャーはコンサルファームでの業務内容との親和性が高い為、キャッチアップしやすいとも言われています。

身近な商材を扱う為に人気のある当業界では、求人の数は多くはない為、製品への想いや具体的なマーケティングアイディアが聞かれる面接への対策が重要となってきます。

 

WEB(インターネット)・モバイル業界

創業間もないベンチャー企業やメガベンチャー、そして大企業まで、いわゆる経営幹部候補、企画系ポジション、M&A担当ポジションなどにポストコンサルタントが転職するケースが非常に多い傾向にあります。また当業界では海外展開を目指す企業が多いこともあり、英語力はプラスに働くと考えてよいでしょう。

 

ポストコンサル転職を成功に導くエージェントの条件は?

通常の転職活動と同様にポストコンサル転職でも転職エージェント選ぶが非常に重要になります。

まずは、当然と言えば当然にはなりますが、コンサル業界とその業務内容に精通している必要があります。業務内容が分からなければ転職を支援する事は難しい為です。

そして、希望業界・業種への転職を実現する事も重要ですが、ポストコンサルは比較的年収が高い方も多く、ある程度の年収をキープするのも重要な要素かと思います。そうなった時には、そういった業種や年収等の希望条件が叶う企業とのリレーションがあるエージェントを利用する必要があります。

 

そして最も重要な点は、「転職希望者の人生を本気で考えているかどうか」という点です。これまでもお伝えしてきました通り、スキルが高いポストコンサルは転職市場では非常に高い評価を受けている為、行く先を選ばなければ転職は難しくない場合が多いです。誤解を恐れずに言葉を選ばずにお伝えすると、エージェントからすると放っておいても転職は可能、と言う事です。

そのような状態にならない為にも、ご自身でもしっかりと「将来どうなりたいか」等をしっかりと考え、エージェントに伝える必要があります。自身でしっかりと考える事も大切ですが、エージェントと相談しながら固めていく方法でも問題ありません。

非常に多忙な中での転職活動になるかと思いますが、エージェント選びには時間を掛けることをお勧めします。親身なエージェントを探して、そこからじっくりと今後のキャリアを考えていっても遅くはありません。

 

ポストコンサル転職のコツは「キャリアパスをいかに描くか」

当項目ではポストコンサル転職のコツをお伝えしていきます。早速にはなりますが、コツとしては、「今後どのようなキャリアを描くか」、「そのために今後どのようなスキルを身に着けなければならないと考えているのか」の2点をしっかりと考える事です。

年収面も非常に重要になるかと思いますが、まずはキャリアパスを描きましょう。自分がどうなりたいか、そしてその為にはどういったスキルを身に着ける必要があるか、を考えた上で、年収等の条件面を検討していきましょう。

転職は点ではなく線として捉えるべきです。転職後の5年後10年後、そしてその後のキャリアも考えましょう。

 

次の項目でご紹介しますが、年収等の条件を気にするあまり、第一志望ではない業界・職種に転職して短期で離職される方も珍しくありません。焦らず、じっくりキャリアパスを描いて、それを実現出来る企業を探してみて下さい。

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ポストコンサル転職での失敗例と注意点

当項目では、ポストコンサル転職の失敗例をご紹介しながら、注意点をお伝えしていきます。これまでもお伝えしている通り、企業を選ばなければ、ポストコンサルは転職が難しくないケースが非常に多いです。当コラムをご覧の方にはそういった転職ではなく、「なりたい姿」に向けた幸せな転職を実現してほしいと思っています。

ポストコンサル転職で頻繁に起こる失敗としては、「年収を維持(もしくはアップ)する為に、希望していない業界(業種)への転職をする」という物です。コンサルファームの年収は他業界と比較しても高い傾向にあります。このような状況の中で、自身が本当にやりたい事を考え抜く前に、転職してしまうと短期離職に繋がってしまう事があります。

その他の失敗例としては、「社風や昇進制度や社内ルールとマッチしない」というものです。コンサル業界だけを経験している方ですと、一般事業会社での社風等は想像するのが難しいかと思います。企業の中には、まだ年功序列の色が残っている企業もあります。年功序列が良い悪いといった問題ではなく、コンサル業界とは大きく異なる事も多数あるため、そういった点に関する事前の情報収集も非常に重要になります。

しかし、こういった社風等の抽象的な事項に関しては、実際に入社してみないと分からない事が多いです。それでも、入社後のギャップを少しでも無くす為の情報収集は必須となります。エージェントと密に連絡を取り、コンサルとのギャップをしっかりとヒアリングする事が大切です。

また、別観点にはなりますが、注意しなければならないのは、どのような企業であっても、「踏み台(通過点)」として考えられていることは良い気分ではありません。キャリアプランをイメージしながらも、どのような想いを持ってその企業で働きたいのか、という気持ちもしっかりと伝える必要があります。